カニの習性と行動
カニは他の生物と比べても、とてもユニークな習性や行動をする生き物です。まず、カニの中には、自分の縄張りをはっきりと決めている種があります。ハクセンシオマネキやチゴガニなどが良い例で、これらのカニは常にしっかりと見張りをしています。そして、自分の住処には他のカニを入れません。万が一入ってきたとしても、相手を縄張りの外に追い出してしまいます。
このカニの縄張り争いは、その密集具合に応じて激化します。比較的広い地域で縄張りを張っていれば争いが起きることは少ないですが、狭い地域でカニがたくさん生息していると、その分争いが発生しやすくなります。ちなみにチコガニは自分が住む穴を中心にして、ほぼ円形に縄張りを決めます。
また、カニの行動でユニークなのが、その歩き方ですね。一般的にはカニは横向きに歩くという風潮が強いですが、カニは種類によっては前に歩くものもいます。しかも、後ろ向きに歩くカニもいるほどです。
横ばいに歩くカニには、ベンケイガニ、サワガニ、アカテガニ、イワガニ、オウギガニなどがいますが、これらのカニは脚の節の幅が広く、人間の膝関節のように、一方甲にしか曲がりません。そんな脚が4対もあるので、前に歩くのは非常に困難なわけです。無理なく自然に脚を動かせるのは、横方向だけということになります。
続いて前向きに歩けるカニは、コブシガニ類やクモガニ類です。これらのカニの脚は細く、付け根部部に余裕があります。さらに甲の輪郭が角ばっていないので、歩く方向を自由にできます。
後ろ歩きが出来るカニには、アサヒガニ、カラッパ類などがあります。これらのカニはハサミ脚や歩脚が邪魔で前の方には進めません。このため、一番抵抗の少ない後ろ方向へ歩くしかないのです。
このように、一口にカニと言ってもその種類によってこれまたユニークな習性や行動をするのが「カニ」なのですね。
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