映画「羊たちの沈黙」がスゴイ!感想や続編、配信情報のまとめ
「羊たちの沈黙」は、1991年にアメリカで作られたサイコ・サスペンス映画です。
米アカデミー賞では、作品賞と監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞の5部門を受賞。
IMDbの歴代映画ランキングでは8.6ポイントで第21位にランクインしており、30年以上経過した今現在も、傑作映画として名を残しています。
今回はそんな名作映画「羊たちの沈黙」の感想や作品の詳細、続編情報などをまとめました。
2022年1月現在、動画配信サービスのユーネクストでは、羊たちの沈黙が「見放題作品」として配信されています。
なかなか見ることができないサスペンス映画の傑作なので、まだ見たことがない方へ是非おすすめしたいです。
目次
サイコ・サスペンス映画の傑作「羊たちの沈黙」を見た感想
私がこの映画を初めて鑑賞したのは、今から20年以上前の2000年頃でした。
当時はレンタルショップでDVDを借りて自宅で鑑賞したのですが、その凄まじい程のサスペンス感に圧倒されてしまい・・・。
大きな衝撃を受けたことを今でも覚えています。
そして20年以上経過した2022年のお正月。色んな映画情報を調べているうちにたまたま「羊たちの沈黙」が目に付き、ユーネクストで鑑賞してみたところ・・・。
本当にスゴイ映画だと改めて感心させられました。
映画「羊たちの沈黙」を20年以上ぶりに鑑賞した感想
〇見る人を惹き付ける魅力的な2人の主人公
映画「羊たちの沈黙」の主人公は、連続猟奇殺人事件の真相を追うFBI訓練生のクラリス・スターリングと、天才的な精神科医であり、殺人犯でもある囚人のハンニバル・レクターです。
この2人の主人公のキャラクターや個性、発する言葉が本当に魅力的で、シーンが進む度に惹きこまれてしまいます。
〇過去を乗り越えようとするクラリス・スターリング
ジョディ・フォスターが演じる主人公のクラリス・スターリングは、優秀なFBI訓練生です。
クロフォード主任捜査官の依頼で連続殺人事件に関わっていくのですが、優秀でありながらもどこか刹那的であり、そこには悲しい過去が秘められていました。
そんな過去を引きずりながらも、事件の解決に向けて前向きに進むクラリス。彼女の存在こそが、この映画の魅力を大きく高めています。
〇天才的な精神科医、ハンニバル・レクター博士の凶暴性がスゴイ
レクター博士は天才的な洞察力や分析力を持つ、非常に能力の高い精神科医です。
しかしながら、過去には自らの患者を次々と死に追いやった凶悪犯でもあります。このレクター博士のスゴイ洞察力や凶暴性は、見る者を釘付けにする程の力を持っています。
印象的な悪役として、映画史に名を残す存在になりました。
〇主人公と同じ気持ちを体感できような映像の撮り方
羊たちの沈黙を再鑑賞して感じたのが、”撮り方の上手さ”です。
主人公の気持ちを体感できるような撮り方になっていて、緊張感や緊迫感も味わえます。
〇最初の10分で惹きこまれてしまうストーリー展開
この映画のすごいところは、見どころが複数存在していることです。
猟奇的な連続殺人事件の犯人は誰なのか。
レクター博士は、一体この事件にどのように関わっていくのか。
訓練生のクラリスは、無事に捜査を続けられるのか。
このような複数の見所があり、これらの部分が少しずつ緊迫感を高めながら、ラストに集結します。
〇ラストの緊張感が本当にすごい
映画の後半はまさかの事態に陥ってしまい、見どころが2つに膨れ上がります。
そしてラストは呼吸するのが苦しくなってしまうぐらい、緊迫感あふれるシーンが綴られており・・・。
もう最後まで本当に凄過ぎるサスペンス映画でした。
”先が見えないサスペンスやミステリー系の映画が大好き”という方に、ぜひおすすめしたい作品です。
映画のタイトル「羊たちの沈黙」の意味
多くの日本人に興味を持ってもらうために、邦画のタイトルはわかりやすく変更されるケースが少なくありません。
しかし、この「羊たちの沈黙」の原題は「The Silence of the Lambs」です。
つまり、原題を直訳したものが、邦題のタイトルになっているわけですね。
一体なぜ、原題がそのまま邦題として採用されたのか。
それはこの”羊たちの沈黙”という言葉に、大きな意味が秘められているからでした。
〇主人公クラリスの知られざる過去
劇中では、ジョディ・フォスターが演じる主人公のFBI訓練生クラリス・スターリングが、レクター博士に対して自らの苦しい過去を離す場面が綴られています。
その内容は、
・子供の頃に最愛の父を亡くし、親戚の牧場主に引き取られた。
・そこでは牧場主である叔父が、夜な夜な羊たちを殺害している。
・その現場を目撃したクラリスは、小屋の鍵をそっと開けておき、羊たちを逃がそうとした。
・しかし、羊たちはなぜか沈黙したままで、逃げようとしない。
・耐えられなくなったクラリスは、1匹の羊を抱えて、家出を試みた。
という内容でした。
殺される羊たちを子供の頃に目撃したクラリスは、大人になった今でもトラウマとなって脳裏に残っていました。
〇連続殺人事件の被害者と、過去に見た羊たちを重ね合わせるクラリス
クラリスは現在発生している連続殺人事件の被害者と、子供の頃に目撃した叔父に殺害される羊たちを、潜在的に重ね合わせていました。
声を上げられない被害者を、クラリスは救い出すことができるのか。
そして子供の頃から抱えているトラウマから、クラリスは開放されるのか。
このような背景が、映画のタイトルである「羊たちの沈黙」の意味に繋がっているのですね。
映画「羊たちの沈黙」が受賞した様々な映画賞
映画「羊たちの沈黙」は、米アカデミー賞をはじめとして様々な映画賞を総なめにしています。
〇第64回アカデミー賞(1992年)
作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞の5部門を受賞
〇第49回ゴールデングローブ賞(1992年)
最優秀主演女優賞(ドラマ)を受賞
〇第41回ベルリン国際映画祭(1991年)
最優秀監督賞を受賞
〇第15回日本アカデミー賞(1992年)
外国作品賞にノミネート
〇第57回ニューヨーク映画批評家協会賞
作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞の4部門を受賞
〇第18回サターン賞
ホラー映画賞を受賞
〇第34回ブルーリボン賞
外国作品賞を受賞
アメリカのアカデミー賞で作品賞と主演男優賞、主演女優賞、監督賞の主要4部門を受賞したのは、本当にすごい快挙ですよね。
主演を務めた2大名優の代表作
主演を務めたジョディ・フォスターとアンソニー・ホプキンスは、ハリウッドを代表する名優です。数多くの話題作や傑作に出演しており、その功績はとても高く評価されています。
ジョディ・フォスターの代表作
・ヴィクトリア(1986年)
・告発の行方(1988年)
・ハートに火をつけて(1990年)
・コンタクト(1997年)
・アンナと王様(1999年)
・パニック・ルーム(2002年)
・フライトプラン(2005年)
ジョディ・フォスターは1988年に製作された「告発の行方」でも、アカデミー賞で主演女優賞を受賞しています。
アンソニー・ホプキンスの代表作
・八点鐘が鳴るとき(1971年)
・オードリー・ローズ(1976年)
・日の名残り(1993年)
・ニクソン(1995年)
・レッド・ドラゴン(2002年)
・世界最速のインディアン(2005年)
・ヒッチコック(2012年)
・ハイネケン誘拐の代償(2015年)
・ファーザー(2020年)
アンソニー・ホプキンスは本当に様々な映画で主演男優賞や助演男優賞にノミネートされており、2020年に「ファーザー」で自身2度目となるアカデミー主演男優賞を受賞しています。
映画「羊たちの沈黙」の詳細情報
邦題:羊たちの沈黙
原題:The Silence of the Lambs
製作年:1991年
製作国:アメリカ
日本での劇場公開日:1991年6月14日
上映時間:118分
映倫区分:PG12
監督:ジョナサン・デミ
主演:ジョディ・フォスター&アンソニー・ホプキンス
出演者:スコット・グレン、テッド・レヴィン、アンソニー・ヒールド、ケイシー・レモンズ、ブルック・スミス、ダイアン・ベイカー
興行収入:約2億7千万ドル
映画「羊たちの沈黙」の続編について
1991年に製作された「羊たちの沈黙」は、10年の時を経て2001年に続編が公開されました。
続編はレクター博士を主人公にしたもので、アンソニー・ホプキンスがレクター博士を続投。一方、FBIのクラリス役はジョディ・フォスターが退き、ジュリアン・ムーアが演じています。
~映画「羊たちの沈黙」の続編~
〇ハンニバル(2001年)
監督:リドリー・スコット
出演者:アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア、ゲイリー・オールドマン
〇レッド・ドラゴン(2002年)
監督:ブレット・ラトナー
出演者:アンソニー・ホプキンス、エドワード・ノートン、レイフ・ファインズ
〇ハンニバル・ライジング(2007年)
監督:ピーター・ウェーバー
出演者:ギャスパー・ウリエル、コン・リー、リス・エヴァンス
羊たちの沈黙は、その後レクター博士を主人公にしてシリーズ化されましたが、2007年の「ハンニバル・ライジング」以降は続編が作られていません。
個人的には、FBI捜査官のクラリス・スターリングを主人公にした映画も見てみたいと思っています。
名作映画の主人公だけに、クラリスを主人公にした続編が出てもおかしくないですよね。
ちなみに「羊たちの沈黙」と上記の3つの続編は、2022年1月現在、ユーネクストの「見放題作品」として配信されています。